産業医と就労支援
「仕事」の重要性
仕事を担うことは人生のこの上ない喜びだと思います。かつてフロイトという精神医学者がアイデンティティにとって重要なのは「愛」と「仕事」であると表現しました。「仕事」とは賃金をもらい労働をするというよりも大きなとらえ方で「役割を担うこと」を指しています。役割を担うための助けになれればと心から願っています。
産業医に対するニーズの変化
誰にとっても重要な「仕事」ですが、わが国での就業の状況は徐々に変化してきています。今やサービス業をはじめとした第3次産業の就業者は1920年の2倍の70%となっています。産業構造の変化に伴い、じん肺等の職業病などは減少し、精神的な不調による業務の能率低下、ついには休職してしまうといった問題が産業における健康問題の中心となりつつあると言っても過言ではないでしょう。このページをご覧になっている企業の労務管理者、衛生管理者の方などはそのことを強く実感されているのではないでしょうか。
健康経営と誰もが働く社会
アメリカにおいて1992年に出版された「The Healthy Company」の著者でロバート・H・ローゼン(Robert H. Rosen)が「健康経営」を提唱しました。健康の増進が生産性を増加させるという考え方です。わが国でも健康経営銘柄、ホワイト500といった形でその考え方が取り入れられています。とりわけわが国では人口構成の変化、生産年齢人口の減少から高齢者、障害者にもどんどんと労働に参加してもらいましょうという社会からの要請が生じています。高齢者や障害のある方が病気や障害とうまく付き合いながら働くということが求められているのです。
産業医と就労支援
上記のような背景から、メンタルヘルス不調へのニーズにお応えするため、産業医のご依頼、メンタルヘルスに関する企業様からのご相談をお受けしています。職員のメンタルヘルス不調、復職の支援や合理的配慮の調整等でお力になれると幸いです。職場巡視、長時間労働者面接、高ストレス者面接、休業者面接、復職審査などに応じます。また、当院の臨床心理士・公認心理師によるカウンセリングや適性評価などの支援についてもご相談ください。
産業医のご依頼は、松江医師会にお問い合わせいただくか当院へ電話もしくはお問い合わせフォームからご連絡ください。
また、当院では将来的には障害者就労支援、定着支援、ジョブコーチにも力を入れていきたいと考えています。